予定納税が払えないときは、放置がいちばんダメで、対処は「減額申請」「税務署に相談」「分割・猶予」の3つです。前年の所得税が15万円以上だと6月中旬に通知が届きますが、今年の所得が減りそうなら7月15日までの減額申請で納付額を下げられます。私も独立後にこの通知を見て一瞬かたまった一人なので、慌てないための順番をまとめます。
この記事の結論(30秒で読める)
- 予定納税は前年の所得税15万円以上が対象。所得税の「前払い」なので払い損ではない
- 払えない・今年は減りそうなら減額申請(第1期分は7月15日まで)
- それでも厳しいなら税務署に相談。納税の猶予や分割に応じてもらえる場合がある
そもそも予定納税とは?なぜ通知が届くの?
予定納税は、前年の所得税の一部を先に分割で納める「前払い」の制度です。前年分の所得税(予定納税基準額)が15万円以上の人が対象になります。
「去年けっこう稼いだな」という個人事業主・フリーランスのところに、6月中旬ごろ税務署から「予定納税額の通知書」が届きます。私も独立2年目の6月に届いて、「これ、もう一回払うの?」と一瞬パニックになりました。でも落ち着いて読むと、これは来年の確定申告で精算される“前払い”なんですよね。払い過ぎていれば還付されるので、損をするわけではありません。
とはいえ、まとまった金額が夏と秋に出ていくのは事実です。資金繰りを知らずにいると本当に焦るので、仕組みだけは先に押さえておきましょう。確定申告そのものの流れはフリーランスの確定申告のやり方でまとめています。
予定納税はいくら払う?納付の時期と金額
予定納税額は、原則「前年の所得税額のおよそ3分の1」を2回に分けて納めます。納付時期は第1期が7月、第2期が11月です。
| 区分 | 納付時期 | 納める額の目安 |
|---|---|---|
| 第1期 | 7月1日〜7月31日 | 予定納税基準額の3分の1 |
| 第2期 | 11月1日〜11月30日 | 予定納税基準額の3分の1 |
| 確定申告 | 翌年2月16日〜3月15日 | 残額を精算(払い過ぎは還付) |
たとえば前年の所得税が30万円だった場合、第1期で約10万円、第2期で約10万円を先に納め、残りを翌年の確定申告で精算するイメージです。※金額は2026年6月時点の制度に基づく目安です。
今年は所得が減りそう…予定納税は減額できる?
できます。今年の所得が前年より明らかに減る見込みなら「予定納税額の減額申請」で納付額を下げられます。第1期分から下げたい場合の期限は7月15日です。
減額申請が認められるのは、ざっくりいうと「今年の確定申告で出る税額が、通知された予定納税基準額より少なくなりそう」なケースです。具体的には次のような状況です。
- 廃業・休業・失業で事業所得が大きく減る見込み
- 取引先の減少など業況不振で、今年の所得が前年より明らかに少ない
- 災害・盗難などで事業用資産に損害が出た
- 医療費控除や各種控除が増えて、結果的に税額が下がる
申請には「予定納税額の減額申請書」を、納税地の税務署に出します。提出期限は、第1期・第2期分をまとめて下げるなら7月1日〜7月15日、第2期分だけなら11月1日〜11月15日です。フリーランスは年によって収入の波が大きいので、「今年は去年ほど稼げていない」なら、使わない手はない制度なんですよね。
減額申請の判断は「今年の見積もり」がカギ
減額申請をするには、今年これまでの売上・経費から「年間の所得税がいくらになりそうか」を見積もる必要があります。会計ソフトに日々の取引を入れておくと、現時点の所得が自動で集計され、見積もりがぐっとラクになります。確定申告まで一気通貫で使えるfreeeなら、初年度の予定納税まわりも迷いにくいです。
予定納税が払えないときの3つの対処法
払えないと分かったら、いちばんダメなのが「黙って放置」です。延滞税がかかり、最終的には督促に発展します。取れる手は次の3つです。
対処1:減額申請で納付額そのものを下げる
今年の所得が減る見込みがあるなら、まず減額申請です。そもそも納める額を正当に下げられれば、資金繰りの負担が一番軽くなります。期限(第1期分は7月15日)だけは逃さないようにしてください。
対処2:税務署に早めに相談する
「どう見ても期限までに用意できない」ときは、納付期限が来る前に所轄の税務署へ相談しましょう。税務署の目的は事業者を追い詰めることではなく、納めてもらうことです。早めに事情を話せば、現実的な落としどころを一緒に考えてくれます。
対処3:納税の猶予・分割を申請する
事業の資金繰りが一時的に苦しいなどの理由があれば、「納税の猶予」制度で支払いを待ってもらったり、分割で納めたりできる場合があります。要件はあるものの、無断で滞納するより圧倒的に有利です。住民税など他の税金が同時に重なって苦しいときは、個人事業主の住民税が払えない時の対処も合わせて確認しておくと安心です。
そもそも収入の波で資金がショートしないか不安な方は、フリーランス収入ゼロが怖い人の備え方もどうぞ。
「いくら納めることになるか」を年内に把握しておく
予定納税で慌てる一番の原因は、「自分の今年の所得税がいくらになるか分かっていない」ことです。会計ソフトで日々記帳しておけば、年の途中でも着地が読め、第2期や来年の納税に向けてお金を取り分けられます。私はこれで“納税で口座が空っぽ”を卒業しました。
予定納税のよくある質問
Q1. 予定納税はいくらから対象になりますか?
前年分の予定納税基準額が15万円以上の場合に対象です。15万円未満なら通知は届かず、予定納税の必要はありません。
Q2. 予定納税は払い損になりませんか?
なりません。予定納税は所得税の前払いで、翌年の確定申告で精算されます。納め過ぎていた分は還付されるので、損にはなりません。
Q3. 減額申請の期限はいつまでですか?
第1期・第2期分をまとめて減額するなら7月1日〜7月15日、第2期分のみなら11月1日〜11月15日です。期限を過ぎると申請できません。
Q4. 通知書が届かないのは何かの間違いですか?
いいえ。前年の予定納税基準額が15万円未満なら、そもそも通知は届きません。届かない=今年は予定納税が不要、と考えて問題ありません。
Q5. 予定納税を払い忘れたらどうなりますか?
納付期限の翌日から延滞税がかかります。気づいた時点ですぐ納付し、難しい場合は早めに税務署へ相談してください。放置がいちばん不利です。
まとめ|予定納税は「先に知っておく」だけで怖くない
予定納税のポイントを整理します。
- 前年の所得税15万円以上が対象。6月中旬に通知が届き、7月と11月に納付
- 今年の所得が減る見込みなら減額申請(第1期分は7月15日まで)
- 払えないときは放置せず、減額申請・税務署相談・猶予/分割で対処
- 会計ソフトで今年の所得を把握しておけば、納税額を予測して備えられる
予定納税は、知らずに通知を受け取ると本当に焦りますが、仕組みと対処法さえ分かっていれば慌てる必要はありません。まずは届いた通知書の金額と納付期限を確認して、今年の所得が減りそうなら減額申請を検討してみてくださいね。
