結論から言うと、個人事業主の住民税は「前年の所得の約10%(所得割)+均等割およそ5,000円」で決まり、6月ごろ届く通知書で年4回に分けて自分で払います。会社員と違って天引きされないぶん、まとまった請求が来て驚きやすいんですよね。(2026年5月時点)
この記事の結論(TL;DR)
- 住民税=所得割(課税所得×約10%)+均等割(おおむね年5,000円)から調整控除を引いた額
- 計算のもとは前年1〜12月の所得。今年の収入が減っても請求は前年ベースで来る
- 個人事業主は普通徴収。6月ごろ通知書が届き、6月・8月・10月・翌1月の年4回払う
- 会社員は給与天引き(特別徴収)だが、独立すると自分で納める方式に変わる
- 払えないときは滞納する前に市区町村の窓口で分割・猶予を相談するのが鉄則
※税率・均等割額や猶予制度の細部は自治体で異なります。最終的にはお住まいの市区町村でご確認ください。
個人事業主の住民税はいくら?計算の流れ
住民税は「所得割(課税所得の約10%)」と「均等割(年およそ5,000円)」を足し、調整控除を引いて決まります。前年所得がベースです。
正直に言うと、私も独立した最初の年はこの仕組みをちゃんと分かっていませんでした。住民税は大きく2つのパーツでできています。
- 所得割:所得に応じてかかる部分。税率はおおむね「市区町村民税6%+都道府県民税4%=合計10%」です
- 均等割:所得に関係なく定額でかかる部分。市区町村民税3,000円+都道府県民税1,000円に、2024年度から始まった森林環境税(国税)1,000円が加わり、合計でおおむね年5,000円です
計算の流れを順番に書くと、こうなります。
- 収入−経費=所得を出す(確定申告の数字がそのまま使われます)
- 所得−所得控除=課税所得(基礎控除や社会保険料控除などを引く)
- 課税所得×10%=所得割のもと
- そこから調整控除(所得税と住民税の控除額の差を埋める仕組み)を引く
- 所得割+均等割(約5,000円)=住民税の年額
ここ、つまずきやすいんですが、住民税は所得税と控除額が微妙に違います。たとえば基礎控除も所得税より住民税のほうが少なめです。だから「所得税はゼロだったのに住民税はそこそこ来た」ということが普通に起きます。経費や控除を正しく積み上げられているかで税額が変わるので、その土台になる経費にできるもの15個や確定申告のやり方は別記事で確認しておいてください。住民税は「確定申告の結果を市区町村が受け取って計算する」ので、申告がそのまま効いてきます。
フリーランスの住民税はなぜ高い?会社員との違い
金額自体は会社員と同じ計算式ですが、フリーランスは「天引きされず・まとめて・自分で払う」ため負担が大きく感じます。
「フリーランスになったら住民税が高い」とよく言われますが、税率そのものが会社員より高いわけではありません。違うのは払い方と体感です。
- 会社員(特別徴収):毎月の給与から12回に分けて天引き。自分で振り込む手間がなく、痛みを感じにくい
- 個人事業主(普通徴収):年4回の納付書で自分で払う。1回あたりの額が大きく、しかも所得税・国民健康保険・国民年金と請求が重なる時期がある
私が独立した年にいちばん効いたのが、この「複数の支払いが重なる」点でした。住民税だけでなく、国民健康保険や国民年金も自分で払うので、6月以降は手元のキャッシュをかなり意識する必要があります。会社員時代は給与明細を見て「引かれてるな」で済んでいたものが、独立すると全部まとめて自分に請求が来る——この感覚の差が「高い」の正体なんですよね。
住民税はいつ・どう払う?(6月通知・年4回)
個人事業主は6月ごろ自宅に「住民税決定通知書」と納付書が届き、6月・8月・10月・翌年1月の年4回に分けて納めます。
スケジュールはざっくりこうです。確定申告(2〜3月)の内容をもとに市区町村が計算し、その結果が初夏にやってきます。
- 6月ごろ:住民税決定通知書+納付書が郵送で届く
- 第1期:6月末 / 第2期:8月末 / 第3期:10月末 / 第4期:翌年1月末(自治体により納期限が前後します)
- 納付方法は納付書での銀行・コンビニ払いのほか、口座振替、スマホ決済(自治体対応のもの)など
つまり「フリーランス 住民税 いつ来る?」の答えは6月ごろです。前年に独立した人は、独立した翌年の6月から普通徴収の請求が本格的に始まる、というイメージを持っておくと慌てません。私は1期分をまとめて払いきってしまうこともありますが、無理せず4回に分けてOKです。一括前納できる自治体もあるので、通知書の案内を確認してください。
住民税を抑える節税4つ
住民税は前年所得で決まるので、抑える鍵は「課税所得そのものを下げること」。経費・控除・申告方法の見直しが効きます。
住民税は所得割が課税所得の約10%なので、課税所得を下げれば住民税も連動して下がります。当事者として効果を実感した順に書きます。
- 青色申告(最大65万円控除)にする:白色のままだとこの控除が使えません。違いは青色申告と白色申告の比較を参照。届出を出すだけで毎年効くので費用対効果が高いです
- 経費を漏れなく計上する:自宅家賃や通信費の按分など、見落としがちな分を含めて経費にできるもの15個でチェック
- 小規模企業共済・iDeCoを使う:掛金が全額所得控除になり、所得税と住民税の両方が下がります。詳しくは小規模企業共済のガイドへ
- ふるさと納税を使う:住民税の控除という形で戻ってくる仕組み。控除上限は所得で変わるので、自分の枠の範囲で
大事なのは、これらは全部日々の記帳と正確な確定申告があって初めて効くということです。レシートを溜め込んで申告直前にパニックになっていた私が言うのも何ですが、会計ソフトで毎月入力しておくと、経費の取りこぼしが減って結果的に住民税も抑えられます。どのソフトが合うかは会計ソフトの比較でまとめています。
住民税を抑えるなら、まず日々の記帳から
住民税は前年所得で決まるので、経費の取りこぼしを減らすほど軽くなります。freeeは30日間無料で全機能を試せます(2026年5月時点)。レシートを1か月分取り込んでみると、自分に合うか一発でわかりますよ。合わなければ解約すればOKです。
住民税が払えないときの対処5つ
払えないときに最悪なのは「黙って放置する」こと。滞納する前に市区町村へ相談すれば、分割や猶予で延滞金・差押えを避けられる可能性があります。
前年は稼げたのに今年は仕事が減った——フリーランスだと普通に起こります。住民税は前年ベースなので、収入が落ちた年こそ重くのしかかる。そんなときの手順です。
- まず市区町村の納税窓口に連絡する:「払う意思はあるが一時的に難しい」と早めに伝えるのが一番効きます
- 分割納付を相談する:年4回をさらに細かく分けて納める相談に応じてくれる自治体が多いです
- 猶予制度を確認する:要件を満たせば「徴収猶予」などで一定期間の納付を待ってもらえ、延滞金が軽減・免除される場合があります
- 使える控除・節税が漏れていないか見直す:申告のやり直し(更正の請求)で税額自体が減ることもあります
- 放置だけは絶対に避ける:滞納を続けると延滞金が積み上がり、最終的に給与・預金・財産の差押えに進むリスクがあります
私の周りでも「請求書を見ないふりしていたら督促が来て焦った」という人がいました。正直、窓口に相談に行くのは気が重いです。でも、自治体側も「払う意思のある人」には現実的な分割や猶予の選択肢を用意しています。連絡しないことのほうがはるかにリスクが高い、というのが当事者としての実感です。猶予や分割の細かい要件は自治体で差があるので、必ずお住まいの市区町村に直接確認してください。
まとめ:住民税は前年所得で決まる、だから備える
- 住民税=所得割(課税所得×約10%)+均等割(年約5,000円)−調整控除
- 計算のもとは前年所得。今年減っても請求は前年ベースで来る
- 個人事業主は6月通知・年4回(6月/8月/10月/翌1月)の普通徴収
- 会社員との差は税率でなく「自分でまとめて払う」こと
- 抑える鍵は青色申告・経費・共済/iDeCo・ふるさと納税
- 払えないときは滞納前に市区町村へ相談(分割・猶予)
住民税は「忘れたころに来る後払いの税金」です。前年がよかった年ほど翌年の請求が大きい。だからこそ、所得の数%は住民税用に取り分けておく——この一手間が独立後のキャッシュを守ってくれます。
なお、所得が増えてくると住民税とは別に個人事業税(事業所得290万円超でかかる税)もかかってきます。8月に納付書が届くので、合わせて把握しておくと安心です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 個人事業主の住民税はだいたいいくらになりますか?
A. 目安は「課税所得の約10%+均等割年約5,000円」です。たとえば課税所得が200万円なら所得割は約20万円、これに均等割を足した額が年間のおおよその住民税になります。実際は調整控除などで多少前後します。
Q2. フリーランスの住民税はいつ来ますか?
A. 6月ごろに「住民税決定通知書」と納付書が自宅に届きます。前年の確定申告をもとに市区町村が計算し、6月・8月・10月・翌1月の年4回に分けて納めます。
Q3. 会社員とフリーランスで住民税の計算は違いますか?
A. 計算式は同じです。違うのは納め方で、会社員は給与天引き(特別徴収・年12回)、個人事業主は自分で払う普通徴収(年4回)です。税率が高くなるわけではありません。
Q4. 住民税が払えないときはどうすればいいですか?
A. 滞納する前に市区町村の納税窓口へ相談してください。要件を満たせば分割納付や徴収猶予に応じてもらえ、延滞金の軽減や差押えの回避につながる場合があります。放置が最もリスクが高い選択です。
Q5. 住民税を安くする方法はありますか?
A. 課税所得を下げるのが基本です。青色申告(最大65万円控除)、経費の計上漏れ防止、小規模企業共済やiDeCo、ふるさと納税が代表的な手段です。いずれも正確な確定申告が前提になります。
MJ|個人事業ナビ(運営者MJ)
フリーランス8年目。会社員を経て独立し、確定申告・税金まわりを毎年自分で処理してきた実体験ベースで書いています。専門家の説明の丸写しではなく、当事者として実際につまずいたポイントや、やってよかった対策を中心にお伝えしています。
